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乙種第1類危険物取扱者試験の受験対策:科目・範囲・学習法

乙種第1類は酸化性固体を扱う類別の免状につながる試験です。3科目35問・五肢択一・2時間という形式と科目別60%の合格基準を公式情報で確認し、固体か液体かという状態の視点で第1類と第6類を対比しながら、紙上の分類練習で理解を固める学習ガイドです。

Updated September 202615 min readStudy GuideKikenbutsu Exam
Simon Campbell

Simon Campbell

Kikenbutsu Exam Editorial Team

乙種第1類危険物取扱者試験は、危険物に関する法令(15問)、基礎的な物理学及び基礎的な化学(10問)、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(10問)の3科目・計35問を、五肢択一のマークシートで2時間之内に解く筆記試験です。合格基準は科目ごとに60%以上で、乙種には受験資格がありません。免状の対象となる第1類危険物は酸化性固体で、「自体は燃焼しないが他の物質の燃焼を促進する」性質と、第6類(酸化性液体)との状態の違いを軸に学習するのが効率的です。

この試験の位置付けと乙種第1類の意味

危険物取扱者免状には甲種・乙種・丙種の3種類があり、乙種は類ごとの資格です。乙種第1類は第1類危険物(酸化性固体)を扱える免状につながる試験です。

危険物取扱者試験は、一般財団法人消防試験研究センターが中央試験センター(東京)と各道府県支部で実施しています。甲種はすべての種類の危険物を、乙種は類別に危険物を、丙種は第4類の一部のみを取り扱えます。

乙種は第1類から第6類まで試験が分かれており、受験時にどの類を受けるかを選びます。乙種第1類を選んだ場合、免状の対象となるのは第1類の酸化性固体(塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類など)です。学習の中心は第1類に置きつつ、法令や基礎的な物理・化学は全類に共通する科目として準備します。

出典: 危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験の概要・受験申請・当日の注意

科目構成と問題数

乙種は3科目・計35問です。危険物に関する法令が15問、基礎的な物理学及び基礎的な化学が10問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法が10問です。

試験はマークシートを使う筆記試験で、甲種・乙種は五肢択一式です。実技試験はありません。乙種の試験時間は2時間で、一部免除となる科目がある場合は免除される問題数に応じて短縮されます。

どの科目が弱点かを把握しやすいよう、学習初期の模擬演習から科目ごとに解答を集計する習慣を付けておくと、直前の弱点補強の優先順位が付けやすくなります。

試験科目問題数
危険物に関する法令15問
基礎的な物理学及び基礎的な化学10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問

出典: 試験科目及び問題数|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 乙種の科目・問題数・一部免除; 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験形式・試験時間・手数料・合格基準

受験資格と申し込みの方法

乙種には受験資格がなく、どなたでも受験できます。試験手数料は5,300円(非課税)で、電子申請と書面申請のどちらでも申し込めます。

受験資格が必要なのは甲種だけで、乙種と丙種は資格要件がありません。乙種第1類は、化学の学習経験や実務経験がなくても受験できます。

申し込みはすべての試験で電子申請が可能です。書面(受験願書)による申請も現在は可能ですが、令和10年度からは原則として電子申請のみとなる予定と案内されています。手数料の5,300円は消費税非課税で、一度払い込むと返金されません。

同一試験日に電子申請と書面申請を重複させたり、同じ種類の試験を2回以上受けたりすることはできません。また、同一試験日に違う種類の試験を受けることもできません(「複数受験」で認められるものを除く)。試験開始時間の希望はできません。

試験日程と受付期間は支部ごとに異なります。現住所や勤務地にかかわらず希望する都道府県で受験できるため、受験予定の支部の日程を公式サイトの試験日程一覧で確認してください。

出典: 危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験の概要・受験申請・当日の注意; 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験形式・試験時間・手数料・合格基準; 受験資格|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 乙種・丙種の受験資格と甲種の要件

合格基準を点数計算で確認する

合格基準は科目ごとの成績が60%以上であることです。法令15問なら最低9問、他の2科目は各10問なので最低6問が基準に達するラインです。

甲種・乙種・丙種とも、試験科目ごとに60%以上の成績が合格の条件です。科目の免除を受けた受験者については、免除された科目を除いて判定されます。

合格発表は支部別に合格者の受験番号が公示され、受験者には郵便ハガキで合否が通知されます。合格者についてはセンターのホームページにも掲示されます。

練習問題

乙種第1類試験は、法令15問、基礎的な物理・化学10問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法10問の3科目です。各科目で合格基準(科目ごとの成績60%以上)に達するために必要な最低正解数を、科目別に計算してください。

解答を表示

法令は9問、基礎的な物理・化学は6問、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法は6問です。

15問×60%=9問、10問×60%=6問です。小数点以下が出ない設問数なので切り上げの工夫は不要です。これはあくまで各科目の基準を満たす最小の正解数であり、これを満たせば必ず合格することを保証する数値ではありません。科目ごとに判定されるため、合計点で不足を他の科目で補うことはできません。

出典: 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験形式・試験時間・手数料・合格基準

第1類危険物(酸化性固体)の性質を理解する

第1類の酸化性固体は、自体は燃焼しないものの、他の物質を強く酸化させる性質を持つ固体です。可燃物と混ざると、熱・衝撃・摩擦をきっかけに激しい燃焼を起こさせる恐れがあります。

消防庁の説明では、第1類の酸化性固体は「固体であって、そのもの自体は燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる性質を有する」と整理されています。つまり、第1類を「燃える固体」と捉えるのは誤りで、可燃物の燃焼を促進する役割の固体として理解するのが出発点です。

法別表に挙げられた第1類の品名には、塩素酸塩類、過塩素酸塩類、無機過酸化物、亜塩素酸塩類、臭素酸塩類、硝酸塩類、よう素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などがあります。これらを物質名の羅列としてではなく、「酸化を促進する固体」という共通の性質の下にグループとして整理すると、暗記の負担が減ります。

第6類との対比も重要です。第6類は酸化性液体で、過塩素酸、過酸化水素、硝酸などが挙げられます。第1類と第6類は「酸化を促進する」という性質の方向は似ていますが、固体か液体かという状態が分類の鍵になります。

  • 第1類=酸化性固体:自体は燃焼せず、可燃物の燃焼を促進する
  • 第6類=酸化性液体:同じく燃焼を促進するが、状態が液体
  • 状態(固体か液体か)と性質の両方で類別を判断する習慣を付ける
類性質状態
第1類酸化性固体固体
第2類可燃性固体固体
第3類自然発火性物質及び禁水性物質固体又は液体
第4類引火性液体液体
第5類自己反応性物質固体又は液体
第6類酸化性液体液体

出典: 「危険物」とは?|法令|総務省消防庁 — 第1類〜第6類の性質の概要; 消防法 別表第一|総務省消防庁 — 類別の品名と備考の定義

法別表の定義構造をおさえる

法別表では、各類の品名に加え、備考で「どの状態の物質が、どのような試験でどの性状を示せばその類に該当するか」が定義されています。状態と試験結果の2点が判断の軸です。

第1類の備考では、酸化性固体は「酸化力の潜在的な危険性を判断するための政令で定める試験」で所定の性状を示すもの、または衝撃に対する敏感性を判断する試験で所定の性状を示すものと定義されています。つまり類別は、物質の名前や見た目ではなく、状態と政令定めの試験結果に基づいて行われます。

同様に、可燃性固体(第2類)は火炎による着火の危険性または引火の危険性を示す固体、酸化性液体(第6類)は酸化力の潜在的な危険性を示す液体と定義されています。品名の中には「その他のもので政令で定めるもの」や「いずれかを含有するもの」という枠もあり、個別の物質がどの類に当たるかは現行の法令で確認する必要があります。

学習では、まず第1類から第6類までの品名群を法令の表で一通り読み、次に備考の定義に戻って「状態」と「試験での性状」を対応付ける順序が効果的です。物質名だけを先に暗記すると、定義に当てはまるかどうかを自分で判断する力が身に付きにくくなります。

出典: 消防法 別表第一|総務省消防庁 — 類別の品名と備考の定義

紙上で解く分類練習

状態(固体か液体か)と確認された性質が分かれば、類別を自分で判断できます。次の練習問題で、第1類・第6類・第2類の判断根拠を確認してください。

以下の練習問題は、机上の分類判断を練習するための架空の物質を使ったものです。実際の物質の取扱いや保管の手順を示すものではありません。判断には、本文で確認した法別表の定義構造を使います。

練習問題

次の3つの仮想物質を、消防法上の類別(第1類〜第6類)の観点から判断し、根拠を述べてください。 物質X:常温常圧で固体。酸化力の潜在的な危険性を判断するための試験で、酸化性固体とされる性状が確認された。 物質Y:常温常圧で液体。混在する可燃物の燃焼を促進する性質が確認された。 物質Z:常温常圧で固体。火炎による着火の危険性を判断する試験で所定の性状が確認された。酸化力に関する試験結果は示されていない。

解答を表示

物質Xは第1類(酸化性固体)、物質Yは第6類(酸化性液体)、物質Zは第2類(可燃性固体)と判断します。

物質Xは固体であり、政令定めの試験で酸化性固体とされる性状を示しているため、酸化性固体の定義に当てはまります。物質Yは液体で燃焼を促進する性質が確認されており、酸化性液体(第6類)の定義に当てはまります。同じ「酸化を促進する」性質でも、XとYは状態が異なるため類が分かれます。物質Zは固体で火炎による着火性が確認されており、可燃性固体の定義に当てはまるため第2類と判断できます。Zに酸化性の証拠はないため、第1類とする根拠はありません。このように、類別の判断では「状態」と「どの試験で何が確認されたか」を先に確認するのが確実な手順です。

出典: 「危険物」とは?|法令|総務省消防庁 — 第1類〜第6類の性質の概要; 消防法 別表第一|総務省消防庁 — 類別の品名と備考の定義

公式過去問と消火方法の学習

消防試験研究センターは過去に出題された問題を公開しています。公開問題は「習得すべき知識・技能の目安」を示す資料なので、学習の到達目標の確認に使います。

公式サイトでは、甲種、乙種(第4類と第1・2・3・5・6類)、丙種の過去問題がPDFで公開されています。これは受験の参考として公開されたもので、問題の内容に関する問い合わせには応じられないと案内されており、著作権はセンターが保有しています。自分の学習用に印刷して解く用途に使えます。

3科目目の「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」では、物質の性質に加えて火災予防と消火の方法の観点が問われます。物質ごとの予防・消火の具体的な内容は、公式テキストや法令に基づく学習教材で確認してください。本稿では出典のない個別の消火手順を紹介しません。センターのサイトでは全国危険物安全協会の動画教材も紹介されています。

出典: 過去に出題された問題|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 公開問題の位置付けと利用条件; 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験形式・試験時間・手数料・合格基準

試験当日の持ち物と会場での注意

写真を貼付した受験票、HBまたはBの鉛筆もしくはシャープペンシル、消しゴムが必携です。定規類・電卓・スマートフォンなどの機器は使用できません。

受験票の交付時期は申請方法で異なります。電子申請の場合は、試験日のおおむね10日前までに受験票をダウンロードできる旨のメールが届き、未着なら自分で印刷します。書面申請の場合は、試験日のおおむね1週間前までに郵送され、届かない場合は願書を提出した支部に照会します。

当日は受験票に記載された集合時刻までに集合し、係員の説明を聞いて受験します。会場への往復は公共交通機関を利用し、会場付近での路上駐車はしないよう案内されています。台風などによる会場や日程の変更は、センターのホームページで告知されます。

  • 写真貼付の受験票、HBまたはBの鉛筆・シャープペンシル、消しゴムを持参する
  • テンプレート等の定規類、電卓、スマートフォン、携帯電話、スマートウォッチ等は使用不可
  • 指定された場所以外での喫煙はしない
  • 試験問題と解答に関する問い合わせには応じられない

出典: 危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験の概要・受験申請・当日の注意

学習の進め方と最終チェック

まず試験の構造(科目・問題数・合格基準)を確認し、次に第1類の性質と法別表の定義構造を理解して、過去問と練習問題で仕上げるのが基本的な順序です。

学習の初期には、第1類が「自体は燃焼しないが燃焼を促進する固体」であることを自分の言葉で説明できる状態を目指します。次に法別表の品名群と備考の定義を読み込み、固体・液体の状態と試験結果から類別を判断する練習を重ねます。その上で、法令科目の条文確認と、過去問による到達度の確認を進めると、3科目のバランスが取りやすくなります。

以下のチェックリストで、受験準備の抜けを確認してください。

  • 受験する類(第1類)と支部の試験日程・受付期間を公式サイトで確認した
  • 手数料5,300円の払い込み方法(電子申請と書面申請で異なる)を確認した
  • 3科目35問・2時間・科目別60%という形式を踏まえて科目ごとに学習計画を立てた
  • 第1類と第6類の違い(状態)を説明できる
  • 法別表の定義構造(状態+政令定め試験)を使った類別練習を解いた
  • 公式過去問を1回分、時間を計って解いた
  • 当日の持ち物(受験票・HBかBの筆記具・消しゴム)を揃えた

出典: 危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験の概要・受験申請・当日の注意; 試験科目及び問題数|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 乙種の科目・問題数・一部免除; 試験の方法|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 試験形式・試験時間・手数料・合格基準; 過去に出題された問題|危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター — 公開問題の位置付けと利用条件

出典

事実確認済み:

次のステップ

FAQ

Frequently Asked Questions

Practical answers to help you apply the guidance for 乙種第1類危険物取扱者試験.

科目免除を受けることはできますか?
条件に該当する場合は一部免除があります。例えば、乙種危険物取扱者免状を有する者が乙種第1類を受験する場合、法令と基礎的な物理・化学が全部免除となり、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法の10問のみを35分で受験します(願書に免状のコピーを添付)。また、火薬類免状を有する者の第1類・第5類の受験では、問題数と試験時間が変わる一部免除の制度があります。免除の適用は添付書類などの条件付きなので、最新の受験案内で自分の状況を確認してください。
乙種第1類を取った後、甲種を目指すことはできますか?
甲種には受験資格が必要で、その経路の一つとして、乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上あることが挙げられます。また、乙種免状を4種類以上有する場合も資格に該当します。この場合、第1類又は第6類、第2類又は第4類、第3類、第5類の各区分を満たす必要があるため、乙種第1類の免状はその一つとして数えられます。詳細な要件と必要な証明書類は公式の受験資格ページで確認してください。
第1類以外の類の内容も勉強する必要がありますか?
試験科目としては、基礎的な物理学及び基礎的な化学が共通科目としてあり、危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法は乙種第1類の免状の対象である第1類を中心に学習します。他の類については、固体・液体の状態や性質の方向の対比を理解する範囲で押さえておくと第1類の位置付けが明確になりますが、学習時間の大部分は第1類とその前提知識に充てるのが合理的です。

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